• 楽農人6:梶谷高男さん

  • かじたに たかお
  • 梶谷 高男さん
  • 梶谷農園(八幡浜市高野地)株式会社TEN
    1987年生まれ
  • 提供品目
  • 甘平・せとか・レモン・紅まどんな・清見・ブラッドオレンジ・フィンガーライム

梶谷農園のある八幡浜市高野地は、岩盤地質で柑橘の根が浅く張るため、古くから美味しいみかんの産地として知られます。しかし標高が高いために12月には気温は氷点下となり、雪が積もることも珍しくありません。その後の中晩柑の栽培には不向きと思われてきましたが、梶谷さんは温州みかん以外の様々な中晩柑の施設栽培を積極的に進めています。もちろん日照時間が長く気温も高い佐田岬などにも園地を構えるなどして、途切れることなく多品種の柑橘を周年出荷できる体制を整えています。この春からは生産者としてだけでなく、経営者としての顔も持つことになりました。

「法人化は自分達のスタイルを理解してくれて、共に進もうと言ってくれるパートナーに出会えたから実現しました。」これまではいくらで売れるのか不明瞭で、ついコストを絞って満足いくものが作れないことが多かったといいますが、価格を決められることで有機肥料やピートモスなど納得いく資材を自分の判断で使えるようになる、と笑顔。「家族経営では数々の失敗を乗り越えてきた。だからこそ、何をするべきかが見えてきました。みかんは絶対。でもみかんだけではダメ。ここまでやってきたこと全てを糧にして、次の展開が描けるのは嬉しいですよ。」 

農業大学校を卒業後に、柑橘の指導員として3年間の農協勤めを経験している梶谷さんは、地域が一丸となって支えてきた「愛媛のみかん」に誇りと自信を持ち続けたいと言います。「両親や周囲の人達が頑張って育ててきた『産地』というものを、僕らがきちんと受け継いでいかんと。この地域のみかんをちゃんと守っていきたいし、今度は僕らが後に続く人を育てていかんといけん。」一歩前に進むためには農家が変わらなければならない、自分自身が変わらなければならないという強い思いで、法人という道を選んだと言います。
「10年後は地域に貢献したな、と思えるようになっていたい。楽しく儲けて『みかん御殿』を建てたいですね。そこでみんなで酒を飲みたいです。友人や今まで助けてもらった人たちみんなとずっと変わらず。今のこの気持ちを10年後も忘れないでいること、それが目標です。」