楽農人5:奥平幸徳さん
- おくひら ゆきのり
- 奥平 幸徳さん
- 奥平農園(宇和島市吉田町)
1987年生まれ - 提供品目
- 甘平・温州みかん他
奥平農園のある吉田町奥南(おくな)地区では、みかん作りを専業としている農家はごくわずかです。キラキラと美しく輝く海に面した山に様々な柑橘畑があり、この地区では柑橘栽培と漁業との兼業が主流だといいます。「働き者の町」という印象ですが、奥平さんのような若い後継者は決して多くはありません。お父さんの働く姿に憧れて就農したという奥平さんは、ここで「甘平」をはじめとする様々な柑橘を栽培する柑橘専業の農家です。
「小さい頃からこの海と山で遊んで育ってきました。ここが大好きですね。」農業大学校を卒業して、迷わずお父さんと同じ道を歩むことを決めた奥平さん。幅広い技術を持ち経験豊富なお父さんから様々なことを学びながら、主力である温州みかんに加え県が育種した新しい品種「甘平」などを栽培していましたが、思いがけずお父さんが病に倒れます。これから徐々に受け継いでいこうと思っていた全てのものが、有無を言わさず一気に奥平さんのもとへ押し寄せてきたことで「本気で農業をやろう!と夢を持って就農しましたが、その覚悟を試されているのかな。」と思ったそう。幸い、お父さんからは困った時にはその都度アドバイスをもらいながら仕事を進めていけるようになり、「手が足りなくて困った時には、ありがたいことに友達や先輩が快く手伝ってくれるんです。農業はこうして周りと力を合わせていくことだと学べました。」
「倒れてわかったんですが、父は意外と職人タイプだったんだなと。」売れれば良いではなく、ひたすら「良いもの」を作りたいという思いで農業を続けてきたお父さんの信念を感じ、自分も同じ気持ちで仕事を続けたいと考えたそうです。「自然が相手の商売ですから何があってもいいようにできる先行投資はするようにしています。」ゆくゆくは法人化も視野に入れた経営も考えるようになったといいます。「これまでいろんな場所で改植をしてきたものが、10年後には大きく育っているはずです。その頃には今とは比べ物にならないくらい忙しくて、てんてこ舞いしていると思います。」
仲間とワイワイ楽しむ賑やかなお酒や遊びが大好きという奥平さん。その頃には可愛い奥さんとさらに賑やかな家庭を築いていることでしょう。
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甘く平べったいことから名付けられた「甘平(かんぺい)」。圧倒的な食べやすさと味の良さ、大きなサイズで全国的に人気が高まっています。紅色が濃く、少しくすんだ感じが特長。
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美しい海に面した山の上にある園地。晴れた日の作業は眺めもよく、最高のひとときだといいます!柑橘栽培だけでなく漁業も盛んな地域で、兼業する農家も少なくありません。
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2007年に品種登録された愛媛のオリジナル柑橘「甘平」。せとかと並ぶ高級柑橘ですが、栽培には多大な手間と苦労がかかります。ここまで育て上げるには想像を絶する手のかかる柑橘。
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