楽農人4:大久保幸裕さん
- おおくぼ ゆきひろ
- 大久保 幸裕さん
- 大久保農園(宇和島市吉田町)
1980年生まれ - 提供品目
- 温州みかん・ポンカン・果試28号・サマー清見・清見オレンジ他
愛媛の中でも歴史ある産地、吉田町。ここは愛媛みかん発祥の地とも言われ、年間通して様々な品種の柑橘が栽培されています。大久保さんはここで5代続く農園の当主。まだまだ現役のご両親からすでに経営を引き継ぎ、自分なりのスタイルで生産から販売までをこなしています。一年中途切れることなく多種多様な品種の柑橘を栽培し、県内外へ出荷しています。「若手で経営ごと引き継いで後継している人はまだ少ない。でも組織にいたらできないことが思うようにやれる環境はとても恵まれていると思ってます。」
幸いここには道具も知識も先人達の豊富な経験も、手が届くところにあるのです。
「こだわるのは木成りでの完熟。木そのものの力を利用して美味しくするので、負担はかかりますが味わいに明らかに差が出るので。」一度お客様に気に入っていただけたらそれを裏切るわけにはいかない、と言います。それはご両親の代から続く厳しい選果にも反映され、常に「顧客の顔を思い浮かべながら」商品を用意するという、徹底した姿勢で臨んでいます。それは5年前から続けている東京都内のファーマーズマーケットへの出店で得た経験と勘も影響しているといいます。「舌の肥えた多くのお客さんと直に接することで、とても多くのことを学びました。」
大久保農園のある吉田町は県内でも特に青年後継者が多い地区です。20代を中心とした若い農業者達を牽引する存在として、地域の未来を常に考える大久保さん。仲間と協力して新規雇用をしたり、海外展開を視野に入れた新たな法人を設立したりと、パイオニア的な動きを休めることがありません。「一人ではできないことでも、知識や経験を補い合っていけば色んな作り方や売り方ができるようになるんです。全国、世界を相手ににすることだって難しいことじゃないですよ。」10年後は、少し落ち着いてゆっくり農業をしているイメージだという大久保さん。「それでも全国を回って売り続けていたいとは思いますね。作るだけでなく売ることは刺激があって楽しい。今いるお客さんに、ずっと満足してもらえる形は何か?と考えていきたいとは思います。」
-
ほぼ一年中、途切れることなく様々な柑橘を出荷している大久保農園。広大な園地だからこそとはいえ、それぞれの品種に適した栽培技術の高さが求められます。
-
この地域は特に急傾斜地が多く、平地はわずか10%ほどしかありません。作業はしづらい環境ですが柑橘にとっては好立地。多くの後継者が地域を支えています。
-
顧客の要望で、エリアを区切って無農薬で栽培される柑橘もあります。たわわに実る清見オレンジは、ジューシーで香りも良いため非常に人気が高いそうです。
■ 他の記事を読む■